ブランドムービーのナレーション|声を前に出す場面、抑える場面
執筆:小林将大/ナレーター
最初に決めるのは、声の大きさより「この場面の役割」
ブランドムービーで「声を抑えたい」とき、すべての文を同じ弱さで読むと、大切な言葉まで埋もれることがあります。まず、言葉で理解してほしい場面なのか、映像を感じてほしい場面なのかをカットごとに分けてみましょう。
ここでいう「声を前に出す」は音量だけの話ではありません。入るタイミング、強調、語尾、無音の長さを含めて、どこへ注意を向けるかという演出の判断です。この記事の構成例は架空の映像を想定したもので、実案件の制作記録ではありません。
声の方向性を相談したい映像がある場合は、ブランドムービーナレーションの依頼で実績・収録方法・使用条件をご確認いただけます。
三つの役割で、原稿に印を付ける
| 役割 | 映像の例 | 読み方を相談する観点 |
|---|---|---|
| 情報を渡す | 社名、事業内容、初めて登場する技術 | 言葉の区切りと、固有名詞を受け取る時間 |
| 映像を支える | 人物の表情、手元、風景 | 声が入る位置と、説明を足さずに残す間 |
| 印象を結ぶ | 最後のメッセージ、ブランド名 | どの一語を残すか、語尾とロゴ表示の関係 |
同じシーンが二つの役割を持つ場合もあります。分類すること自体が目的ではなく、ディレクターとナレーターが「今はどちらを優先するか」を話すための印です。
30秒の架空の映像なら、こう整理する
たとえば、手仕事を紹介する短いブランドムービーを考えます。以下は構成を考えるための例で、推奨尺の決まりではありません。
- 冒頭の手元:作業音と動きを見せる。声を入れる前に、何を見ているか分かる時間を取る。
- 工程の紹介:「一つずつ、確かめる。」という言葉で、手元の意味を補う。すべての動作を実況しない。
- 完成品のカット:「その先の毎日のために。」で視点を使う人へ移す。語尾をどこまで残すか、次のカットと合わせて試す。
- ロゴ:ブランド名を読むか、映像だけで終えるかを先に決める。
原稿の文が少なくても、読みの判断は必要です。逆に、説明が必要な製品映像へこの抑え方をそのまま持ち込むと、情報が足りなくなることもあります。映像の目的に合わせて使い分けます。
「抑える」を共有するときは、残すものも書く
「感情をなくす」「小さい声で」という言葉だけだと、望む結果から離れる場合があります。たとえば「落ち着きは残しつつ、製品名だけは明瞭に」「語りかける距離は近く、最後を大きく締めない」のように、抑える部分と必要な部分を組み合わせます。
絵コンテや仮編集に、主役:映像/言葉、残したい一語、声の入り・終わりの三項目を書くだけでも、収録前の話し合いに使えます。音楽が仮の場合は、その前提も添えてください。
候補を比べるときは、同じ場面に戻る
音源ごとに原稿やBGMが違うと、好みの理由を声だけに絞れません。「企業VPの落ち着きが合う」「CMの入りが参考になる」と、借りたい要素を言葉にしてみてください。別原稿のサンプルを、同じ原稿の演出比較として扱わないことも大切です。
このサイトでは、企業VPの音源とBGMなしの音源を聴けます。原稿・音楽の条件が異なる既存サンプルです。候補の位置を共有リンクで渡し、何が映像に合うと感じたかを添えてください。
相談は、完成した原稿より前でも
「このカットは映像を見せたい」「最後だけ声を残したい」という段階からご相談いただけます。参考映像があれば、フォームの任意欄でURLをお送りください。
小林将大の企業VPナレーションは3分尺 ¥50,000〜。使用媒体・期間・地域などにより個別見積となります。ご予算が決まっている場合は、その範囲で対応できるかご相談ください。映像の方向性を相談する。
声を置かない区間も含めたショット表
ブランドムービーのナレーションは、話している時間だけで設計しません。声が始まる前の画、語尾の後に残る沈黙、BGMだけになる区間もメッセージの一部です。開始と停止を台本に書かず、文章だけを渡すと、ナレーターは自然に読み終え、編集者は隙間を埋めようとします。まず声を置く区間と、あえて置かない区間をショット表にします。
声の役割を場面ごとに置く
冒頭の声は、映像の意味を説明するのか、視聴者を作品の距離へ招くのかで温度が変わります。中盤は事実を説明する声か、短い言葉だけを置く声かを決めます。終盤はブランド名や行動を読むのか、ロゴだけを残すのかを判断します。すべての画に声を載せる必要はありません。
説明用の例です。
| 区間 | 画 | 音の設計 | ナレーション |
|---|---|---|---|
| 00:00–00:05 | 朝の街 | 環境音のみ | なし |
| 00:05–00:12 | 人の手元 | BGM開始 | 一文を短く読む |
| 00:12–00:18 | 製品のディテール | 語尾の後に余白 | 一文を読み終えた後は声を置かない |
| 00:18–00:30 | ロゴ・風景 | BGMと環境音 | なし、またはブランド名 |
表の文言や区間は説明用です。実制作では仮編集を再生しながら、声の開始点・終了点・沈黙の長さを確認します。
台本に「無音」を書く
「読む文」だけの台本では、無音区間が抜け落ちます。ショット表には「ナレーションなし」「語尾後2秒は声を置かない」など、声を置かない範囲を記します。NARRATION OFF などの表記を使う場合も、チーム内で意味をそろえます。無音がBGMや環境音を含むのか、完全な無音なのかも分けます。
区間:
画の目的:
声の役割:説明 / 招待 / 事実 / なし
読み原稿:
開始:画頭から / 画の途中 / 指定時刻
停止:語尾後に余白 / カット頭で停止 / 指定時刻
声を置かない理由:
BGM・環境音:
声の開始を遅らせると、画を見てから言葉を受け取る構成になります。逆に、声を先に置くと、次の画への導入になります。どちらが正解ということではなく、映像の意図を一言で決めると演出の共有がしやすくなります。
収録依頼では余白を守る条件を伝える
ブランドムービーでは、文の長さだけでなく、語尾の消え方や間の方向を共有します。参考映像を送る場合も、完全な模倣ではなく「この区間の距離感」「この後の余白」を確認したいと書きます。仮編集のBGMが仮音源なら、そのことも明記します。BGMのテンポが変わる可能性がある場合、声の開始点を固定するのか、編集で合わせるのかを決めます。
声の強弱や距離感の考え方は、ブランドムービーの声の演出も参考にしてください。ブランドムービーのナレーションへのご相談では、声を置きたい場面と映像だけで見せたい場面を共有できます。
原稿、仮編集、開始・停止の希望が決まっている範囲から送ってください。沈黙を「何もない時間」と扱わず、ショット表に書いた時点で、ナレーションも映像設計の一部になります。
確認会では、声のない区間で画が自走しているかも見ます。文を足す前に環境音や画の切り替えを試し、「残したい余白」と「調整可能な余白」を表で分けておくと、編集で試す範囲が明確になります。
ナレーターへは、沈黙を埋めるための別テイクを一律に求めるのではなく、開始を遅らせたテイク、語尾を残したテイクなど、目的に応じて依頼します。どの案を本番採用するかは仮編集で決め、未採用の音源はファイル名を分けて保管します。
沈黙の長さがまだ決められない場合は、許容範囲を示します。完全に固定できない項目を無理に断定せず、編集で調整する範囲を先に共有することが、ブランドの余白を守ります。
ナレーションのご依頼は ¥50,000〜。原稿確定後、通常24〜48時間で納品します。お急ぎの場合はスケジュールに応じてご相談ください。
※ご予算が決まっている場合は、その範囲で対応できるかご相談ください。

小林 将大Masahiro Kobayashi
Professional Narrator
企業VP、CM、ドキュメンタリーなど年間200本以上のナレーションを担当。高品質な宅録環境を完備し、スピーディかつ最高水準の音声データを提供します。
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- 納期
- 原稿確定後、通常24〜48時間
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- WAV / MP3
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