|
ブログ一覧へ
ナレーション見積書請求書インボイス制度発注実務

ナレーション費用の請求書・見積書テンプレート完全版|収録費・スタジオ代・交通費・リテイク費の正しい分け方

ナレーション費用の請求書・見積書テンプレート完全版|収録費・スタジオ代・交通費・リテイク費の正しい分け方 - 依頼術に関する解説記事

ナレーション費用の請求書・見積書は「項目の分け方」で9割決まる

ナレーション案件で、金額そのもの以上にトラブルになりやすいのが「何がどこまで含まれているか」です。
とくに制作会社、広告代理店、動画制作チーム、個人事業主が混在する現場では、見積書と請求書の粒度が揃っていないだけで、確認往復が2〜3回増えます。結果として、発注も支払いも遅くなります。

結論から言うと、ナレーション費用の標準フォーマットは、最低でも以下の4項目を分けるのが実務的です。

1. 収録費
2. スタジオ代
3. 交通費
4. リテイク費

この4つを独立させるだけで、「初回提示額は安かったのに、最終的に高くなった」という不信感をかなり防げます。
私が現場でおすすめしているのは、見積書の時点で「含むもの」「含まないもの」「追加発生条件」を1行ずつ明記する方式です。

---

標準フォーマットの基本構成

見積書・請求書ともに、以下の順で並べると相手が確認しやすくなります。

  • 件名
  • 収録日または納品日
  • 発注元情報
  • 受注者情報
  • インボイス登録番号
  • 支払条件
  • 明細
  • 小計
  • 消費税
  • 合計金額
  • 備考

明細のおすすめ表記例は次の通りです。

  • ナレーション収録費:30,000円
  • スタジオ使用料(1時間):8,000円
  • 交通費(実費):1,240円
  • リテイク費(原稿差し替えによる再収録):10,000円

ここで重要なのは、「収録費」と「スタジオ代」を絶対に一体化しないことです。
ナレーター宅録案件ならスタジオ代0円または宅録設備費込み、外部スタジオ利用なら別建て。この整理があるだけで、予算管理が一気にしやすくなります。

---

収録費・スタジオ代・交通費・リテイク費の分け方

1. 収録費

収録費は、ナレーターの技術料・拘束料の中心です。
相場感としては、企業VP、Web動画、eラーニングなどで「1案件あたり」「1時間あたり」「尺あたり」のいずれかで設定されることが多いです。

実務では、以下のように基準を明記すると親切です。

  • 基本収録費:30,000円/2時間拘束まで
  • 超過料金:15分ごとに3,000円
  • 宅録編集込み:ノイズ処理・整音含む

「何時間まで基本料金か」を書かない見積書は、後で揉めやすいです。

2. スタジオ代

スタジオ代は実費扱いが基本です。
都内の簡易ブースなら1時間6,000〜12,000円、ディレクションルーム付きの本格スタジオなら1時間12,000〜25,000円程度が目安です。
請求書では、以下のように分けると明快です。

  • スタジオ使用料:9,000円
  • エンジニア立会費:6,000円

スタジオ費にエンジニア費が含まれているかも、備考で書いておくと安心です。

3. 交通費

交通費は「実費精算」か「一律固定」のどちらかに統一してください。
おすすめは実費精算で、以下のように記載します。

  • 交通費(JR新宿〜渋谷 往復):420円

タクシー利用が発生する可能性がある場合は、見積書段階で
「早朝深夜・機材搬入等によりタクシー利用時は実費請求」
と入れておくとスムーズです。

4. リテイク費

最も曖昧にすると危険なのがここです。
リテイクは必ず、無料範囲と有料条件を分けてください。

おすすめ表記は以下です。

  • 読み間違い・アクセント修正:初回納品後7日以内、無償
  • 原稿変更による再収録:1ブロック5,000円〜
  • 全面再収録:基本収録費の50〜100%

「ナレーター起因の修正」と「発注側の原稿差し替え」を分離するだけで、関係性が悪化しにくくなります。

---

インボイス番号の記載方法

適格請求書発行事業者である場合、請求書には登録番号を明記します。
一般的には以下の形式です。

  • 登録番号:T1234567890123

記載位置は、会社名・屋号の近く、または請求書ヘッダー下が見やすいです。
加えて、税率ごとの消費税額が分かる形にしておくと適格請求書として実務処理しやすくなります。

例:

  • 小計:39,240円
  • 消費税(10%):3,924円
  • 合計:43,164円

PDF作成は freee請求書、マネーフォワード クラウド請求書、Misoca あたりが定番です。
見積から請求へ変換できるツールを使うと、明細の転記ミスをかなり減らせます。

---

支払いサイトの業界標準は「月末締め翌月末払い」が基準

ナレーション業界の支払いサイトは、体感的にも実務上も以下が多いです。

  • 月末締め翌月末払い
  • 月末締め翌々月末払い
  • 納品後30日以内

もっとも標準的なのは「月末締め翌月末払い」です。
たとえば8月10日納品なら、8月末締め・9月末支払い。
制作会社や広告代理店では翌々月末も珍しくありませんが、個人ナレーターへの発注では長すぎると負担になります。

見積書・請求書の備考には、以下のように書くと明確です。

  • 支払条件:月末締め翌月末払い
  • 振込手数料:発注者負担
  • 支払方法:銀行振込

振込手数料負担の記載は、地味ですが非常に大事です。

---

すぐ使える実務テンプレート

最後に、最小構成の明細テンプレートを置いておきます。

  • ナレーション収録費(2時間以内)
  • スタジオ使用料(1時間)
  • 交通費(実費)
  • リテイク費(原稿変更時のみ)
  • 小計
  • 消費税
  • 合計
  • 登録番号
  • 支払条件

見積書の段階でここまで揃っていれば、発注側は社内稟議を通しやすく、受注側は追加請求の説明がしやすくなります。
ナレーション費用の書類は、豪華さより「誤解の余地を消す設計」が正解です。
見積書と請求書を標準化すると、案件ごとの心理的コストが確実に下がります。実務は、こういう地味な整備が一番効きます。

小林将大 | プロフェッショナル ナレーター

小林 将大 Masahiro Kobayashi

Professional Narrator

企業VP、CM、ドキュメンタリーなど年間300本以上のナレーションを担当。
高品質な宅録環境を完備し、スピーディかつ最高水準の音声データを提供します。

サンプルボイスを聴く

ナレーションのご依頼・ご相談

企業VP・CM・ドキュメンタリーなど、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら