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海外向けローカライズ案件のナレーション費用相場|日→英・日→中・東南アジア言語の比較とバイリンガル起用の損益分岐点

海外向けローカライズ案件のナレーション費用相場|日→英・日→中・東南アジア言語の比較とバイリンガル起用の損益分岐点 - 費用相場に関する解説記事

海外向けローカライズ案件で、ナレーション費用が読みにくくなる理由

海外向け動画のローカライズ案件では、単純な「収録料金」だけでは予算が組めません。実務では、少なくとも①翻訳、②翻訳チェック、③尺調整、④ナレーション収録、⑤編集、⑥差し替え対応、⑦使用範囲の確認、の7項目が絡みます。ここを一括で見ないと、見積もり比較はほぼ意味を持ちません。

特に日→英は、原稿が日本語のままだと英語化で語数が増えやすく、同じ30秒動画でも収録尺が35〜45秒に伸びることがあります。逆に日→中は情報密度が比較的保ちやすく、尺の破綻が少ないケースもあります。東南アジア言語は、タイ語・ベトナム語・インドネシア語などで事情が異なり、話速・イントネーション・可読性の調整コストが意外に効きます。

日→英・日→中・日→東南アジア言語の相場比較

以下は、企業VP、商品紹介、eラーニング、展示会映像などで多い「2〜5分程度」の案件を想定した、実務的な目安です。用途や買い切り条件で上下しますが、発注初期の予算取りには使えます。

  • 日→英ナレーション
  • ナレーター収録費: 25,000〜80,000円
  • 翻訳: 8〜20円/日本語文字、または20〜45円/英単語換算
  • ネイティブチェック: 8,000〜30,000円
  • スタジオ/整音込み案件総額: 50,000〜150,000円前後
  • 日→中ナレーション(簡体字・繁体字含む)
  • ナレーター収録費: 20,000〜70,000円
  • 翻訳: 7〜18円/日本語文字
  • 監修・地域差対応: 10,000〜30,000円
  • 総額目安: 45,000〜130,000円前後
  • 日→東南アジア言語
  • 英語経由ではなく日本語から直接訳す場合、翻訳単価が上がりやすい
  • ナレーター収録費: 20,000〜75,000円
  • 翻訳: 10〜25円/日本語文字
  • 用語統一・読み確認: 10,000〜35,000円
  • 総額目安: 55,000〜160,000円前後

ここで重要なのは、安い言語=総額が安い、とは限らないことです。東南アジア言語は話者市場によって収録単価自体は極端に高くなくても、訳者・監修者・読み確認者の確保で管理コストが上がることがあります。

費用差を生むのは「声」よりも、前後工程である

見積もりを精査すると、実はナレーター本人の収録費より、周辺工程が総額を押し上げることが多いです。たとえば、原稿2000文字の日本語動画を英語化する案件では、翻訳、ネイティブリライト、タイムコード合わせ、固有名詞確認、収録後の微修正で、収録費の1.2〜2倍の周辺費用が発生することも珍しくありません。

実務でよくある追加費用は以下です。

  • 初稿確定後の原稿差し替え
  • 略語、製品名、社内用語の再確認
  • BGMに合わせた尺調整
  • 複数アクセント比較(US/UK、華北/台湾系など)
  • 収録後の「もっとゆっくり」「もう少し親しみやすく」対応

このため、見積もり依頼時には「原稿文字数」「完成尺」「用途」「公開地域」「修正回数上限」を先に明示するだけで、予算ブレはかなり減ります。

バイリンガルナレーター活用時のコスト構造

バイリンガルナレーターを起用すると、単価だけ見ると高く感じることがあります。相場感としては、日本語のみ案件より1.2〜1.8倍程度の見積もりになるケースが多いです。ただし、トータルでは安くなることがあります。

理由は明快で、以下の工程を圧縮できるからです。

  • 訳文の読みやすさチェック
  • 音読時の不自然表現の洗い出し
  • 日本語原稿の意図確認
  • ディレクションの往復回数削減
  • 再収録リスクの低減

たとえば、日本語版と英語版を別々の話者・別々の担当者で進めると、翻訳→監修→収録→違和感発覚→原稿修正→再収録、という往復が起きます。バイリンガル話者なら、収録前に「この英語だと映像尺に入らない」「この日本語のニュアンスは直訳しない方が良い」と止められる。ここが最大のコストメリットです。

特にeラーニング、医療機器、SaaSデモ、製造業マニュアルのように用語精度が重要な案件では、収録費の差額より、再制作回避額の方が大きいことが多いです。

実務で使える見積もりの切り方

私が費用相談を受ける際、まずおすすめしているのは、見積もりを3層に分けることです。

1. 言語制作費
翻訳、リライト、ネイティブチェック、用語集整備

2. 音声制作費
ナレーター費、収録、整音、ノイズ処理、ファイル分割

3. 運用費
修正対応、追加収録、地域別差し替え、使用期間延長

この分け方にすると、「どこを削ると何が崩れるか」が見えます。削ってはいけないのは、翻訳チェックと用語統一です。逆に、予算調整しやすいのは、ファイル分割数、修正回数、使用媒体の整理です。

案件管理には、NotionやGoogleスプレッドシートで「原稿確定日」「言語別文字数」「アクセント指定」「修正履歴」「納品形式(48kHz/24bit WAVなど)」を一覧化すると、再発注時のコストが下がります。翻訳支援にはDeepL、Phrase、memoQ、Tradosなども有効ですが、最終的な音声原稿は必ず“音読前提”で人間が整えるべきです。

まとめ:最安値比較ではなく、再収録率で判断する

海外向けローカライズのナレーション費用は、日→英、日→中、東南アジア言語で単価差がありますが、最終的な予算を左右するのは、翻訳品質、尺調整、修正回数、そしてディレクション設計です。

もし複数言語展開を前提にするなら、最初から「誰が訳文の自然さを担保するか」「誰が読みの最終責任を持つか」を決めてください。バイリンガルナレーターは、単なる“二言語を話せる人”ではなく、工程圧縮と事故回避の要員として考えると、費用対効果が見えやすくなります。

安い見積もりが良い見積もりとは限りません。実務では、初回収録でどこまで決まるかが、最も大きなコスト差になります。

小林将大 | プロフェッショナル ナレーター

小林 将大 Masahiro Kobayashi

Professional Narrator

企業VP、CM、ドキュメンタリーなど年間300本以上のナレーションを担当。
高品質な宅録環境を完備し、スピーディかつ最高水準の音声データを提供します。

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